母と娘のあれこれ。
毒親という言葉が使われ始めて、認めたくないけれど、
自分の親もそうかもしれないと思った人は多いのではないだろうか。
私も思った。
ここ1、2年たまにそのことについて考えては、答えが出ないままだったけれど、
最近は毒親じゃなくて、普通のどこにでもいる親だなと思うようになった。
子育てで親も子もお互いに何の不満もないってことはきっとない。
こういう風に育てて欲しかったとか、ああいう子に育って欲しかったとか、
あの人の育てられ方が羨ましいとか…。
家庭なんてそれぞれでオンリーワンのものだから、比べようもない。
それができるようになって架空の完璧の家族が出来上がってしまったことによる、妄想だという結論に至った。
毒親かどうか迷ったり悩んだりした理由や原因は
母は完璧だ。という子どもの時のイメージと現実の受け止めがスムーズにできたか。
自分が大人になってわかるようになった過去の出来事への折り合いのつけ方が
うまくできるかどうか。
この辺りだと思う。
急に話がホロスコープに変わるけれど、
月がめちゃくちゃ良いと言われたことがある。
それはまさしく母だ。
トラインしかないし、アスペクトも多いから安定している。
ここで母の自慢話をしたいと思う。
思い出したきっかけは、ツイッターで回ってきた親と子のエピソード。
アダルトチルドレンを自認している人が、
女の格好をすると親に過剰に反対され続けて、
女の格好をいつからするかわからないまま歳をとってしまったというものだった。
私の母は、高校卒業後の春休みに(ちょうど今の時期ですね)、
もうすぐ大学生になるから、化粧の仕方を教えてもらいに行こう。と、
イオンの中にあるマックスファクターに連れて行ってくれた。
きっとSK−Ⅱ使ってたからなんだけれど、30才前半ぐらいのBAさんに迎えられて、
母が用件を伝えると、あら!という感じで化粧水のパッティング方法から、
ファンデーションの塗り方、チークの使い方、全部教えてくれた。
アイメイクはたまにしていたけれど、フルメイクは初めてだった。
気恥ずかしさもありつつ、あー大人になるんだなぁ。うれしいなとぼんやり思った。
ファンデーションをつけると一気に大人っぽくなるのは、女性ならわかると思う。
あなたは女なんですよ、と母が教えてくれた。
金星を意識させてくれたのは、この出来事かもしれないと今書いていて思う。
そして大学の間じゅうは、
ずっと基礎化粧品とメイク用品を母の家族カードで買わせてくれた。
通学途中の百貨店で買うので毎回デパコス。
比較的親切な値段の同じブランドばかり使っていたけれど、それでもかなりの価格だ。
フルラインで揃えて使っていたの、マジで信じられない。
社会人になって一人暮らしになってからは、
とてもじゃないけどそんなことできないので、安いものに変えた。
めちゃくちゃ母、私に甘い。今でも甘い。
これを今日思い出して、毒親じゃないなー、
愛はたまに形が合わないんだよな。きっと。と腑に落ちた。
私からすると化粧品屋さんに連れてってくれた思い出でしかなかったけれど、
思い出したことで、いろんな気持ちをこめてしてくれたんだろうな〜と。
もし私に娘が生まれて高校生最後の春休みにコスメカウンター連れて行くとか、
マジで胸熱すぎる。娘が生まれたら絶対したい。
それまでにめっちゃ詳しくなってそうだけどね、今の時代は。
夫にこういう話を見つけて親がこういうことしてくれたんだと話すと、
母すげー!やっぱりやることが違うな!(夫はクレイジーな私の母がわりと好き)
と、言ってくれて余計に嬉しくなった。
毒親という言葉に振り回されて、親がかけてくれた本当の愛情が見えなくなって、
自分の中に親の愛を見つけ出せなくなる人が多くなるんじゃないかと、
そんな心配をしてしまう。